CNC2022-Tokyoへの参加をありがとうございました!

CNC2022-Tokyoへの参加をありがとうございました!
東京大会へご参加くださった皆様、また、4月30日に東京都市大学夢キャンパスで開催しましたハイブリッドでの講演と観察会のイベントにご参加くださった皆様には、心からお礼を申し上げます。プロジェクトを楽しんでいただき、生き物との新たな出会い、周囲の環境への新たな気づきがあったことを願っています。

Ⅰ.東京の結果

 本部での集計時の東京の観察数は2,374(455都市中の145位)、観察された種数は675(146位)でした。参加者数は79人(175位)でした。いずれの数も昨年より大幅に減少しました。
 今年は、コロナ禍でも行動制限がなくなり、大型連休中であったことが参加者の減少の背景にあると思われます。また、参加者は昨年よりは、里山や大きな公園での観察数が増えていることから、自宅や職場付近よりは都内で遠出する傾向が見られました。一人当たり平均の観察数は30件で、参加者は多くの時間を観察のために費やしてくださったことが分かります。
 4日間の観察者と同定者の順位、観察された生物はリストをご覧ください。観察された生物については、最も多く観察された生物のトップ5は、シロツメクサ、ハルジオン、アカツメクサ、ビロードクサフジ(広義)、ナガミヒナゲシの順でした。いずれも日本の在来種ではなく、ハルジオンが帰化植物である以外は外来種であることは注目されます。
 同定された種の分類群は「統計」に表示されているように、植物が64%と最も高い割合を占め、次いで昆虫25%、鳥類6%、菌類2%、クモ類1%、両生類0.2%、爬虫類0.3%の順でした。
 全観察数のうち種名が確定され研究用データとなった件数は908件で、全観察数の38.3%(164位)でした。これらの研究用データは、国際的な種の多様性の最大のデーターベースである地球規模生物多様性情報機構(GBIF)への送られ、オープンデータとして研究者をはじめ、だれでも利用できるようになります。

Ⅱ.世界の都市の結果

 CNC2022年には、世界の47か国の445都市が参加し、2018年に世界の都市が参加しての開催以来最も多くの都市数となりました。CNCは世界規模のWebを用いた人気の生き物調べの市民科学プロジェクトとなっており、2018年の開始以来、毎年参加都市数が倍増してきました。しかし今年の参加都市数は昨年の419都市と比較して、わずかの増加に留まりました。
 今年の全参加都市の合計の生物の観察数は約170万、観察された種数は約5万100種、参加者数は約6万7千200人となり、いずれも過去の値を上回りました。また、2,244の希少種が観察されたことも注目に値します。
 また、世界で最も多く観察された種はセイヨウタンポポ(Common Dandelion :Taraxacum officinale)でした。
 世界の参加都市の中で生物の観察数のトップ 3 は、①ラパス(ボリビア):137,345、②ケープタウン(南アフリカ):66,144、③ボストンGreater Boston(USA):46,896の順でした。また最も観察した種数が多かったトップ3は①ラパス(ボリビア):5,320、②ケープタウン(南アフリカ):4,388、③香港SAR(香港):4,355の順でした。観察者数の世界のトップ3は、①ラパス(ボリビア):4,296人、②ワシントンDC首都圏(USA):2,114人、③サンフランシスコBay Area:2,084人でした。
 これらの比較は多様な比較の方法がある中の限られた方法と考えるのが適当と思われます。例えば世界で参加人数が第2位にランクされているワシントンDCでは首都圏のみを対象地域とし、また、3位にランクされているサンフランシスコでは、Bay Areaのみを対象地域としているなど、都市の境界(線引き)は参加都市のオーガナイザーに任されており、都市の全域を含まない場合もあります。東京も島嶼は含まれていません。比較を面積単位、人口単位とする異なる順位となるでしょう。
 また、有効な観察数のトップ3は①ラパス:106,599、②ケープタウン:58,143、③ダラス/フォートノース(USA)41,682でした。東京132位でした。研究用データとなった種数のトップ3は、①ケープタウン2,325、②ダラス/フォートノース(USA)1,924:③グレーズ(オーストリー)1,880でした。
 ちなみに戦火の中でウクライナの人々もCNCに開催されました。リヴィウ市(Lviv)からは19名が参加し、観察数は93でした。さらにそれ以外のウクライナの複数の都市からは合計で240名が参加し、観察数は7,867に上りました。ウクライナの全参加都市の参加者数は世界の445都市の上位70位、観察数は54位となりました。
 戦火や大災害の被災地に生きる人々は、バイオフィリア(生命に対する愛)を深く感じ、生きる力をもらうと言われています。CNCが平常時、コロナ禍や戦争などの非常時においても人々への生命、生き物とのつながりを大切に考える機会となることを願っています。

 なお、CNC2022の結果は一般社団法人生物多様性アカデミーのページにも掲載されています.合わせてご覧ください。http://bda.or.jp/wp/?p=1573

東京オーガナイザー:岸本・小堀

Publicado el mayo 19, 2022 01:23 MAÑANA por keikei28 keikei28

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